アニメも3期が決まり、絶賛放送中の「かぐや様は告らせたい」ですが、物語の主人公の1人である副生徒会長の「四宮かぐや」についてピックアップしたいと思います。
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~「四宮かぐや」の魅力
物語の舞台は偏差値77の超エリート校の秀知院学院高等部であり、その中の生徒会で生徒会長を務める「白銀御行」と副会長の「四宮かぐや」を取り巻く学園ラブコメになっています。
サブタイトル~天才たちの恋愛頭脳戦~にもある通り、高度な頭脳戦を繰り広げながら相手からいかに告白させるかが肝になっています。
・家柄
物語の中では総資産額200兆円と推定されており、鉄道、銀行、自動車とゆうに1000を超える子会社を抱える4大財閥の1つに数えられる「四宮グループ」の本家本流である総帥・四宮雁庵の長女として生まれた正真正銘の令嬢です。幼い頃からも英才教育を受けており、芸事、音楽、武芸のいずれの分野でも華々しい功績のある正真正銘の「天才」です。かなりのスパルタ教育であったようで、「四宮の人間たるもの人に頼ってはなりません、人を使い、人を操り、必要であれば切り捨てねばなりません。」と厳しく躾けられた幼少期だったようです。高等部では弓道部に属しており、幽霊部員であるようなものの高校2年にして弓道4段という実力です。
・パーソナリティ
才能と英才教育の賜物で天才のかぐや様ですが、スパルタ教育の影響で人格が分かれてしまっているようです。
(通常かぐや)
四宮グループの令嬢であり、やらさればなんでもかなりのレベルでこなしてしまう万能型の天才。ただ、家柄の影響もあり、完全無菌の箱入り娘であり、よくわからない所で世間知らずが発動する。
(氷かぐや)
幼少期のスパルタ教育で形成されている要素が大きく、抑圧された環境下において四宮かぐやが強いられた内面の一部分。不安やストレス、悩み事があったり体調不良の時に強く表面化する。教育方針の影響で打算的な思考、鞭による学習法を推奨する。帝王学の申し子。彼女にとって暴力は教育的な意味合いが強くそこに悪意はあまりない。自分に課したルールに準拠する事と、期待に応えることをアイデンティティとして自己を肯定している。他人とのズレを感じており、強い孤独感、社会からの疎外感に苛まれる。そのせいか、石上には親近感を抱き、彼を正しく導きたいと考えている。束縛への従順、感情の抑制、人生への失望、他人への恐怖、攻撃性。それらの象徴。
と成果主義で親近感もあまりないトゲトゲとした一面を持っています。
(アホかぐや)
抑圧された環境下において四宮かぐやが切り捨てていた内面の一部分。安心感や嬉しいことがあった時や風邪をひいたときなどに強く表面化する。本来、人間が健全な成長の過程で獲得すべきものではあるが、教育方針の中で廃棄された「いらないもの」。白銀御行や藤原千花との交流を経て再発見された自分の一部分であり、最近は大分拡大している。長らく存在しないものとして生きていたためかぐや自身、この側面に翻弄され、どう向き合えばいいか整理はついていない。自由への渇望、感情の発露、恋愛への憧れ、他社への興味、愛情。それらの象徴。
と氷かぐやと反して人間的な一面が強く反映されています。
・メインエピソード
物語の内容としてはコミカルとシリアスが上手く織り交ぜられているので、十分面白いのですが、心情の変化やパーソナリティが強く出ている一面を紹介したいと思います。
(花火大会)
単行本5巻でアニメに1期の山場となるところです。
夏休みに突入し、登校しないで生活する中で生徒会メンバーはそれぞれの夏休みライフを過ごしています。
夏休み期間で学校へ行かなくなり、自由に過ごせるのは良いのですが、生徒会メンバーも顔を合わせることも無くなりました。
そんな中、ひょっこり会えるかもしれないと思い、かぐや様はやり残したことがあると言い生徒会室へ行きます。
ただ、生徒会室で時間を潰すものの、静寂の生徒会室に1人で会長はおろか生徒会メンバーとは会うこともありません。
生徒会室から帰った後に、同じ考えだった会長が到着するのですが、会えずじまいになってしまします。
このニアミスがラブコメっぽい!
ただ、夏休み前の生徒会室の石上の提案により、みんなで夏祭りへ行くというのは決定していたのでそこでいつも通り会えることを楽しみにして過ごします。
そんな中、夏祭りの前日に父親の京都の本邸に急遽呼び出されたのに会話も交わしてもらえないわ、藤原達と行くショッピングもドタキャンせざるを得なくなるわで悉く生徒メンバーで会うタイミングを逃してしまいます。
何とか、夏祭りはみんなで行けるようにと戻ってきて、浴衣を着て夏祭りを満喫しようとしますが、執事に「人混みがある中で、付き人が見失い、万が一のことがあれば…」と告げられ、花火大会すら行けなくなってしまします。
どこまで、四宮家のガードが固くて自由にさせてもらえないんだ(´;ω;`)
ベッドの上で「みんなに会いたい、何も知らなければこんなに苦しいと気がつかずにすんだのに…」と涙を流してしまいます。
氷かぐやのままであれば何とも思わなかったんでしょうが、生徒会の活動の中で会長のことが気になりだし、メンバーとも仲良くなったことでその分、一緒に夏祭りに行けない辛さが強くなったんでしょうね。
早坂に寂しさを吐露し、早坂もかぐやの思いを知って、花火を窓から見るかぐやに変装し、執事を欺いて何とかして抜け出します。
やっとの思いで家の外に出れたかぐや、止まっていたタクシーを拾ってみんなの元へ合流しようとしますが、交通規制による渋滞で合流場所へたどり着けない。電話で連絡しようにも回線混雑で繋がらない…
そんな中、タクシーを下り自分の足で合流することを選びます。その時にその後ろをかぐやを探している会長が自転車で通り過ぎてしまいます。(また、ニアミス)
それでも奔走するかぐや、やっと人混みを抜けて通りに出ますが、
「本日の花火大会は終了いたしました。ゴミや飲食物はお持ち帰り頂くよう…」
花火大会終了のお知らせのアナウンスが流れます。
みんなと花火大会を見れなかった辛さで人影の少ないところで思わず、泣いてしまいます。
「私も…見たかった…花火…皆と」
辛い…、せっかく決死の思いで外に出れたのに願いが叶わない。
涙が止まらないかぐやに、
「だったら俺が見せてやる」会長の登場!!
手を取り、生徒会メンバーの元へ連れていきます。
捕まえたタクシーに雨で延期になった花火大会があることを伝えて一筋の光明に賭けます。
「四宮に花火を見せるんだよ!!」
間に合うように願う生徒会メンバー、激走するタクシー、トンネルを超えたその先に!
満開の花火!!
執念でつかみ取った絶景、みんながタクシーの窓から花火を見る中、
誰もが花火に目を向ける 皆が私のために見せてくれた花火 だけどごめんなさい
その横顔から 目が離せない 心臓の音がうるさくて もう―
花火の音は聞こえない
執事の邪魔で物理的に花火が見られないというのと、横顔にドキドキしすぎて花火よりも見とれてしまうという演出が素晴らしいです。
夏休みが終了し、新学期と次の会では進むのですが、会長はやけにカッコつけてしまったことを黒歴史と感じてしまい、後悔で死にそうになっています。
かぐやはというと顔を合わせてもそっぽを向くようになりました。
ただ、照れ緊張によるもので「好き避け」をしてしまうようになります。意識するようになったんでしょうね。
おそらく、この頃から氷かぐやとあほかぐやが内面の中で戦うようになったかもしれないですね。
単行本が25巻発行されている中で5巻でここまでの充実感を出しているのはすごいと思います。
良かったら続きを単行本、アニメで追ってみてはいかがでしょうか。