本業で利益が潤沢な食品銘柄の会社ってどこかな?
1株当たりの利益が大きい食品銘柄の会社ってあるの?
優秀な高配当日本株(食品銘柄)ってどんな会社?
2023年7月時点で高配当な食品銘柄の営業利益率とEPSをまとめたグラフ(直近5年間)が上記になります。
・営業利益率
営業利益率=[営業利益(売上高-売上原価-販売費及び一般管理費)
÷売上高]×100
「営業利益率」は営業活動で必要な費用を差し引いた後に残る利益のことです。
売上が10,000円のに対して、原価が5,000円、販売費等が4,000円ならば、
営業利益率=(10,000-5,000-4,000)÷10,000×100=10%となります。
売上を高くしたり、原価や販売費を下げることが出来れば、「営業利益率」は高くできます。そうすることで手元に残せる利益が増やせることになります。
つまり、この「営業利益率」が高く維持できていれば、その企業は営業活動でたくさん手元にお金を残せるので非常に優秀なビジネスモデルを持った会社と言えます。
ここで、JTと日東富士製粉の営業利益率を見てみましょう。上記のグラフにもあった通り、JTは20%を上回る営業利益率であり、頭一つ抜けています。ただし、日東富士製粉も直近では7~8%であり、綺麗な右肩上がりのグラフとなっています。
どちらも15年前から比較すると営業利益率が右肩上がりとなっており、好調な推移を辿っています。
・EPS (Earnings PER Share 株価収益率)
EPS(1株当たりの純利益)=純利益÷発行済株式数
企業規模に関わらず、1株当たりの純利益なので大企業でなくとも利益率の高い会社であれば、発行株数も相対的に少ないため、この数値(EPS)は高くなります。逆に言えば、たくさん株式は発行しているけれども、利益率が芳しくなければこの数値(EPS)は低くなります。
配当金は企業の営業活動で出た利益を株主に還元する仕組みであることから、高い利益を挙げている銘柄の方が配当金の額が多くなると期待できます。
JTと日東富士製粉のEPSを見てみると下記の通りです。
どちらも下がる動きを見せていますが、その後にはしっかりと持ち直して、より成長していることも分かります。特に日東富士製粉については2012年にはEPSを落としたものの2013年以降は大きく成長を維持しており、他と一線を画していることが良く分かります。
上記の内容を踏まえて、食品銘柄の10社の営業利益率とEPSの直近5年間をまとめると下記の表になります。
証券コード | 銘柄 | 営業利益率 | EPS |
2914 | JT | 23.412 | 205.274 |
2107 | 東洋精糖 | 5.668 | 100.978 |
2117 | ウェルネオシュガー | 5.098 | 77.308 |
2109 | DM三井精糖ホールディングス | 2.852 | 163.168 |
2892 | 日本食品化工 | 2.38 | 232.78 |
4404 | ミヨシ油脂 | 1.066 | 66.874 |
2003 | 日東富士製粉 | 7.718 | 392.998 |
2114 | フジ日本精糖 | 7.656 | 44.886 |
2294 | 柿安本店 | 5.924 | 139.51 |
2296 | 伊藤ハム米久HD | 2.39 | 53.46 |
営業利益率を見るとJTが食品銘柄では目立って高く、EPSを見ると日東富士製粉が圧倒的に高いです。
営業利益率、EPSも株主配当に重要な要因ではありますが、もう一つROEという指標に注目したいと思います。
・ROE(Return On Equity 自己資本利益率)
ROE=当期純利益(事業年度の営業活動で株主全体にもたらした利益)
÷自己資本(株主が出資したお金など返済する必要のない資産)×100
企業がどれくらい効率よくお金を稼いでいるか? 経営効率を示しています。資本に対する利益の割合です。
株主が出資したお金を元手に、企業がどれだけの利益を上げたのかを数値化したもので、「企業がどれぐらい効率良くお金を稼いでいるか」を示す財務指標です。
例えば、株主から集めた1億円を元手に企業が1事業年度(通常は1年間)活動し、最終的に5,000万円の利益を上げたなら、ROEは5,000万円÷1億円×100%=50%となります。
上記のような例は珍しいと思いますが、もしそんな会社があれば経営力がとてつもない会社と言えそうですね。
JTと日東富士製粉を比較してみましょう。
ROEに関してはJTが10数%で日東富士製粉が10%弱となっています。そのため、経営効率という点ではJTに軍配が上がりますが、他の食品銘柄だと5%前後の会社も多いため、相対的に見るとかなり優秀だと思います。
・配当金と配当性向
最後に配当金と配当性向を見てみましょう。
2023年の配当性向を見るとJTが188円、日東富士製粉が175円とかなり肉薄していることが分かります。ただし、配当性向に差があり、JTは75%付近で、日東富士製粉は40%付近とかなり余力を残していることが分かります。
日東富士製粉は総合的に見るとEPS(1株当たりの利益)が非常に高く、営業利益率も伸びてきており、経営効率もそれなりで、配当性向も無理しすぎていないという銘柄になります。
もし、よろしければ株式購入の参考にしてみてください。