「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」についての魅力について紹介したいと思います。この記事については「かぐや様」について気になっているけど、今後、読んでみたいと思う方に向けて書いてみたいと思います。2019年には実写化、アニメも1期、2期も作製されており、3期の製作も決定している非常に人気の高い作品です。
大まかな概要としては
エリートの集う秀知院学園生徒会で出会った生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐや…。この両想いであるはずの天才2人が、互いに相手を惚れさせ、相手から告白させようと日常の全てで権謀術数の限りを尽くす、新感覚のラブコメ‼(原作公式より引用)
この2人はお互いに相手が告白してきたら付き合ってやろうと思っており、また、自分が告白してフラれるのは自尊心が許さないので生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐやの両者ともにプライドが異常なまでに高くなってしまっており、「恋愛は戦であり、好きになった方が負け」という自分達をガチガチに窮地に追いやってしまっています。
この2人が相手に告白させるために互いの知力を絞り出し、アタックを仕掛ける頭脳戦(?)が滑稽で痛快です。(笑)
大きな魅力としては5点かと思います。
・展開がスピーディでダレない
・キャラクターデザインがシンプルながらも秀逸
・エロに頼っていない
・登場人物の成長に感情移入しやすい
・「竹取物語」をベースにしながらストーリーが進んでいく
それ以外にも魅力はたくさんありますが、上記の内容について書いてみたいと思います。
・展開がスピーディでダレない
基本的に「かぐや様」では日常の描写が1話完結で進んでいきます。特に物語の序盤に関しては超エリート高校級の頭脳戦を繰り広げて、会長とかぐや様がデートに誘うために知略の限りの攻防を仕掛けます。ただし、高校生の恋愛感覚であるため掛け合いが可愛らしいギャップが効いていて非常にコミカルになっています。日常の何気ないコメディが充実しているので、シリアスやラブな箇所が際立って締まって面白くまとまっています。変化球がめちゃくちゃ多彩なので、直球のストレートがより伸びと速さが半端じゃない感じです。
・キャラクターデザインがシンプルながらも秀逸
バトル漫画みたいな感じに書き込みが濃いテイストでも無く、キラキラを前面に押し出している感じでもありません。とてもシンプルなデザインでありながら各キャラクターの個性も立たせながら、日常のコメディ描写も恋愛チックなラブ描写も違和感なく見ることが出来ます。
・エロに頼っていない
連載しているのが「週刊ヤングジャンプ」という青年誌ということもあり、少年誌でないことからセクシーなシーンについては多少テコ入れは可能なのですが、肌の露出が多い訳ではありません。過去の単行本の帯には「エロに頼らず大偉業」という書き込みがありました。その点に関しては直接的な性的な描写が苦手な方についても読みやすい作品になっていると思います。
・登場人物の成長に感情移入しやすい
この作品の主人公である会長こと「白銀御行」、もう一人の主人公である副会長こと「四宮かぐや」の2人が物語が進むにつれ、周りの登場人物との関わりで成長していく姿が尊い。なぜ、会長「白銀御行」が勉学でトップに取るために、目の下にクマをつくるほどに勉強中毒になったのか…
副会長「四宮かぐや」が人に好かれる努力をするようになったのか…
そして、ヒロインの「藤原千花」、裏主人公「石上優」、裏主人公「伊井野ミコ」の成長も大きいところです。
・「竹取物語」をベースにしながらストーリーが進んでいく
この点に関しては、作者の赤坂アカ先生も意識して書いていると思います。
主人公の「四宮かぐや」の名前から分かる通り、この作品は日本最古の「竹取物語」から引用されている箇所が多いです。「竹取物語」は竹から生まれたかぐや姫が高貴な身分の人間に求婚を迫られながらも、天人の使いと一緒に月に帰ってしまうという、おとぎ話も聞いたことがあると思います。
求婚を迫った高貴な身分の5人の人間が「石作皇子」「車持皇子」「右大臣阿部御主人」「大納言大友御行」「中納言石上麻呂足」という登場人物であり、この名前をもじったキャラクターが「かぐや様にも告らせたい」にも出てきます。
「石作皇子」 →(伊井野ミコ)
「車持皇子」 →(藤原千花)
「右大臣阿部御主人」→(阿部ひふみ)
「大納言大友御行」 →(白銀御行)
「中納言石上麻呂足」→(石上優)
特に上記の5人の「阿部ひふみ」を除く4人は生徒会に属しており、「かぐや様は告らせたい」における主要メンバーとなっています。
また、かぐや姫が求婚を迫られた際に5人の高貴な身分の人間へ無理難題を要求する題材に関してもリンクしている要素があります。
「石作皇子」 (伊井野ミコ)と「仏の御石の鉢」(大仏こばち)
「車持皇子」 (藤原千花)と 「蓬莱の玉の枝」(???)
「右大臣阿部御主人」(阿部ひふみ)と「火鼠の裘」 (不知火ころも)
「大納言大友御行」 (白銀御行)と 「龍の首の珠」 (龍珠桃)
「中納言石上麻呂足」(石上優)と 「燕の子安貝」 (子安つばめ)
既に関わりの深いキャラクター同士もいれば、それぞれ登場していてもまだ、深掘りされていないキャラクター同士もいてこれからどう進展していくかも目が離せない要素かと。
実際に出てきていないキャラクターもいるので、これからの展開で物語にどう関わるのかも期待の要素もあります。
~天才たちの恋愛頭脳戦~というサブタイトルがついているため、とっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、ハーレム系ラブコメとは一味違う「かぐや様を告らせたい」を楽しんでみてはいかがでしょうか。